【作品】作った詩 - 1

もしかしたら歌詞か何かになるかもしれないし、ならないかもしれない。

揺籃

涙をもたらした青い海の底
あなたという存在が溶けている
忘れているのですか
世界が生まれる前のこと
全てがあなただったころのこと

ページを捲る指先の細さ
長く黒ぐろとした睫毛
うなじにある小さなほくろ
淡い桜色に染められた唇
嗚呼 ゆるしてください
あなたに焦がれているのです

あなたがいない日

どこからかピアノの音が聞こえてくる
地球儀のマゼラン海峡をすりぬけてみる
食べかけて取っておいたチョコレートを見つける
さらさらとした沈黙に耳を傾けてみる
リモコンの電池を変えなきゃと思い立つ
ぬいぐるみの毛並みに顔を埋めてみる
砂時計をひっくり返してただ眺めてみる
あなたが帰ったら 手を繋いでみようか